日本水産学会誌
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人工中層海底を用いたカキ養殖場底質への有機物負荷軽減策の検討
川口 修山本 民次松田 治橋本 俊也高山 晴義
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2004 年 70 巻 5 号 p. 722-727

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抄録

近年, カキ養殖場の底質悪化が問題となっている。そこで, カキ養殖から海底への有機物負荷を軽減するために養殖施設下の酸素条件の良い中層に人工的に分解層 (人工中層海底) を設け, そこで好気的な分解を促進することを試みた。人工中層海底の材料は, カキ殻, 竹炭, 懸濁物吸着マットの3種類とした。その結果, いずれの人工中層海底でも好気的分解が行われていることが確認され, 最も効果の高かったカキ殻製では設置から69日間に, カキ筏から底質への沈降有機物負荷の約6.6%を軽減する効果があった。

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© 2004 公益社団法人 日本水産学会
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