神経膠腫の予後を決定する因子として,手術の摘出度は最も重要な因子であり,最大限の摘出が望まれる.その一方で,腫瘍がeloquent area にある場合は,その部位の摘出は不可能とされる.したがって病変の摘出が可能であるかを判断する標準ガイドラインが必要である.そこで,腫瘍の存在部位,大きさから手術ステージ分類を作成し,国内の施設において実際に手術治療された神経膠腫をそれに基づき分類し,摘出率との関係を検討した.結果としてわれわれの作成した手術ステージ分類のステージが上がるにつれ,摘出率が下がる傾向が認められた.またステージ分類は患者の予後とも相関していた.神経膠腫の手術方針を決定するうえで,この手術ステージ分類が有用なグローバルスタンダードとなる可能性が示唆された.