2018 年 33 巻 6 号 p. 857-862
〔目的〕体幹を素早く動かす運動と姿勢を保持する運動が歩行能力に与える影響について検証した.〔対象と方法〕杖歩行または独歩が可能な脳卒中片麻痺患者を対象とした.全ての対象者に体幹を左右に素早く動かす運動(AC-SST)と,体幹を最大に側方に傾斜させ,姿勢を保持する運動を実施し,各運動実施前後の歩行速度,歩幅,歩行率を測定した.〔結果〕AC-SST運動実施前後では歩行速度,歩幅,歩行率とも有意に向上した.一方,姿勢保持運動実施前後では歩行能力に有意な差はみられなかった.〔結語〕体幹を素早く左右に動かすことで,片麻痺患者の歩行能力は即時的に向上する.