工業化学雑誌
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主鎖にフェルダジル構造を含むオリゴマーの合成
栗栖 安彦吉田 晴雄大河 原信
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1969 年 72 巻 6 号 p. 1402-1407

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抄録

超安定ラジカルであるフェルダジルを主鎖中に持つ高分子化合物を合成する目的で,1,4-ジョードブタン,4,4'-ジクロルメチルジフェニルエーテル,P-キシリレンジブロミドなどのビスハロメチル化合物と1,4-ビス-[N,N'-ジフェニル-ホルマジル-(C)]-ベンゼンをバリウム塩,空気の存在下,ジメチルホルムアミド中で反応させた。
反応条件の選択,生成物の構造を推定するために二,三のモデル化合物の合成も検討した。その結果,この反応は大過剰のハロメチル化合物を用いる必要があり,したがって上記の反応では高分子量のものを得ることは期待できないが,実際に得られた緑色粉末状の生成物は二量体程度のオリゴマーであった。元素分析,酸滴定,赤外吸収,電子スピン共鳴吸収スペクトルなどの検討から,このオリゴマー中にはフェルダジル構造のほかにフェルダジリウム塩構造を含むことがわかった。

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