肝血管腫の超音波映像下穿刺吸引細胞診における細胞像を検討した. 一般的な像は血性背景で, 結合織の破片が存在するものであった. 細胞集塊は二種類に分けられた. 第1は長楕円形の核を有する紡錘形の細胞が含まれる集塊で, 血管内腔と思われる間隙が認められた. この長楕円形の核を有する紡錘形の細胞は, その形態的特徴や間隙を取り囲むように存在していることから内皮細胞と考えられた. 第2は長楕円形の核を有する紡錘形の細胞が含まれておらず, 類円形の核を有する細胞のみの集塊である. このような集塊でも, 血管内腔と思われる間隙が認められる場合には, 血管腫と診断することは可能であると思われた.