日本呼吸器外科学会雑誌
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肺線維平滑筋腫性過誤腫の1例
松岡 勝成桑原 正喜糸井 和美大久保 憲一
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1992 年 6 巻 7 号 p. 786-791

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抄録

線維平滑筋腫性過誤腫は肺野に多発する事が多く, 単発例の報告は非常に稀である.今回, 我々は胸部X線写真上に孤立性陰影を呈した肺原発性の線維平滑筋腫性過誤腫を経験したので報告する.
症例は47歳, 女性.人間ドックにて胸部X線上, 右上肺野にcoinlesionを指摘され来院.自覚症状はなかった.初診時, 胸部X線, 断層写真, CTで, 右S2に辺縁が明瞭で内部の構造が均一な円形陰影を認めた.胸膜陥入像や空洞形成は認められなかった.気管支鏡検査を施行したが確定診断にはいたらず, 開胸生検を施行した.腫瘤はS2の肺胸膜直下にみられ, 弾性硬で, 腫瘍を含めた肺部分切除を行なった.切除標本の割面は一部に白色部位を有する黄色であった.病理所見より線維平滑筋腫性過誤腫と診断された.また全身検索にても他に平滑筋腫は認められなかった.

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