日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
肺部分切除が妥当であった自動草刈り機による肺切創の1例
山口 敏之高田 学佐近 雅宏秋田 真吾小松 信男橋本 晋一
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 64 巻 3 号 p. 613-616

詳細
抄録

症例は74歳,男性.鉄道沿線の草刈り作業中,他の人の自動草刈り機の刈刃が背部に接触し外傷を負ったため,救急車で当院に搬送された.創は長さ25cmにわたり筋肉,肋骨が切断され胸腔内に到達しており創から左肺が観察された.ただちに全身麻酔下に手術を行い胸腔内の観察を行ったところ,心・大血管の損傷はなかったが,左肺下葉(S6)に幅8 cm,深さ2 cmの損傷を認めた.自動縫合器を用いて同部を切除・縫合し,胸腔内および胸壁創を充分洗浄したのち閉胸,手術を終了した.経過は良好で術後10日で退院した.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top