環境システム研究論文集
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熱赤外線画像による大規模公園緑地からの放散熱量の推定
桐原 啓真三上 岳彦
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2001 年 29 巻 p. 103-108

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抄録

ヒートアイランドの緩和効果に関する研究の一環として、ポータブル熱赤外画像カメラを用いて大規模緑地である明治神宮・代々木公園及びその周辺地域の熱赤外画像を10分間隔で撮影した。熱赤外画像から得られる表面温度の日変化から、都市部を構成するアスファルトやコンクリートのような人工的熱構造物と緑地との熱慣性の違いがわかった。緑地とその周辺地域の表面温度差は、日中で約8℃に達した。表面温度は日中では緑地が一番低く、以下コンクリートの敷石、アスファルト舗装、鉄製の屋根の順に高くなっている。日中、公園周辺市街地の地上高度50mの平均気温から緑地の表面温度を基にして、放散熱量を計算すると日中、最大で-7W/m2となり、夜間では-10W/m2となった。放散熱量の値から大規模緑地は気温上昇に対して抑制効果があることが明らかとなった。

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