土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.38
基質を構成する合成繊維の形状がイセエビ幼生の着生に与える影響
江幡 恵吾相山 凌大松岡 翠豊福 真也矢代 幸太郎税所 誠一前田 一己山﨑 力
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 2 号 p. I_715-I_720

詳細
抄録

 イセエビ幼生の生息場造成を目的とした人工基質の付着生物相,流水中における形状,耐海水性を明らかにすることを目的とした.基質A(繊維幅0.2mm,ビニロン),B(1.0mm,ポリプロピレン),C(1.6mm,ナイロン),D(4.8mm,ポリプロピレン・ポリエチレン混合)を2021年6月10日に鹿児島市喜入沖に設置し,7月1日,7月28日,10月1日,10月27日に付着生物の種類と個体数を測定した.イセエビ幼生は基質B,C,Dで確認された.基質A~Dの付着生物はイセエビの餌料になる貝類,ヨコエビ類,ワレカラ類が多くを占めた.6月10日から10月27日までの海中浸漬によって繊維の切断張力は,基質A,B,C,Dで13.2%,19.4%,24.9%,6.7%減少した.回流水槽実験により,上流側からの投影面積の静水中に対する比は,流速0.1m/sで基質Dの0.97で最も大きかった.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top