日本化学会誌(化学と工業化学)
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アンモニアによる一酸化窒素の還元における活性炭およびPAN-ACFの触媒活性
持田 勲藤津 博白石 育夫井田 四郎
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1987 年 1987 巻 5 号 p. 797-801

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抄録

ポリアクリルニトリルから製造された活性炭素繊維(PAN-ACF),活性炭およびそれらの硫酸賦活物の一酸化窒素のアンモニアによる触媒活性を反応温度150℃,固定床流通式反応装置を用いて研究した。反応ガス中のNOおよび酸素の濃度の違いによる触媒活性への影響についても調べた。これらの活性炭の活性は硫酸賦活によっていちじるしく増加した。とくにPAN-ACFはもっとも高い活性を示し,1%NOを含む反応ガスを用いたとき,W/FO.02(g.min/ml)で,約60%の転化率を20時間以上示した。しかし,一酸化窒素が低濃度(400ppm)で,酸素が存在しない反応ガスの場合,同じW/Fですべての活性炭の定常触媒活性が大きく減少した。この反応ガスに酸素(4%)を添加すると,活性は顕著に向上し,20時間以上高活性を維持した。硫酸賦活PAN-ACF-BはW/Fを0.005(g.min/ml)と小さくしても約73%と高い転化率を示した。速度論,NO-炭素反応活性およびTPDEによって,この反応の活性点は表面含酸素官能基であることが示唆される。また,この活性点は比較的高濃度(数%)で反応ガス中に存在するNOまたは酸素による酸化により,触媒反応中生成および再生される。

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